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オレンジジュース・世界的に不足【7月23日(火)】

オレンジジュースの国際価格の上昇が止まりません。


インターコンチネンタル取引所に上場しているオレンジジュース先物が、高騰しています。


7月物は、5月28日に一時1ポンド495.25セントまで上昇し、遡れる1973年以降の最高値を付けました。


最高値を付けた後一時下げたものの、足元では再び騰勢を強めています。


7月15日終値は1ポンド451.60セントで、1年前に比べ4割高く、5年前の4倍を超える水準です。


オレンジジュース高騰の主因は、最大の生産国ブラジルの大幅減産に伴う果汁不足です。


オレンジ果汁市場の8割近くをブラジル産が占めています。


ブラジルのかんきつ類保護基金は、5月に2024~25年度の生産量は、前年度比24%になる見通しだと発表しました。


見通し通りなら、過去2番目に少ない水準になります。


減産の背景にあるのが「カンキツグリ-ニング病」と呼ばれる細菌病の流行です。


ブラジル産の8割を生産するサンパウロ州では、病害により樹木が生育不良となる被害が相次いでいます。


さらに、昨年の開花、結実期に熱波を伴った干ばつが発生したことも果実の生育に悪影響を及ぼしました。


相場の上昇に拍車がかかった一因は、米国の輸入量の増加があります。


かつては果汁輸出国だった米国は、国内生産の減少で2017年頃がら輸入国に転じました。


2022年には、ハリケーンで生産量が大きく減り、補うため輸入を増やしたことも相場を押し上げる要因になりました。


日本国内で流通するオレンジジュースは、原料の大半を輸入に頼っています。


日本のオレンジ果汁の2023年の輸入価格は1㍑491円と前年より52%高くなりました。

国内飲料メーカーのオレンジジュース製品は、販売停止や値上げが相次いでいます。


森永乳業は、4月に「サンキスト100%オレンジ」の販売を、原料がなくなり次第休止すると発表しました。


既に雪印メグミルクアサヒ飲料が、一部製品の販売を休止しています。


いずれも、販売の再開の見通しは立っていません。


オレンジ果汁不足を補うため、国産のみかんなどで代替する動きもありますが、国内で生産される温州みかんのうち、果汁など加工に回されるのは、全体の8%にすぎません。


高価格で売買される生食用の出荷が優先されるため、果汁としての供給は少なく、輸入全量を補える状況にはありません。